ボランティアをする際の2つの注意点
ただこのようなお手軽な活動には、注意点が2つあります。
1つ目は、特に理系の方は自分の志望学部と結びつけづらいことです。
文系の方であれば何かしら自分のやりたいことや学部の分野と関連のあるイベントがあることが多いです。しかし理系の勉強はより専門的な研究などが必要になるので、「まず気軽に参加してみよう」という理系の人向けのイベントがあまりありません。
ですので、少し前の話に戻ってしまいますが、いきなり研究に参加するのが難しければまずは大学の講義を聞いてみるとか、研究室の見学に行ってみるというところから始めてみましょう。
2つ目は、これが直接高い評価を受けるわけではないことです。誰でも気軽に参加できることの裏返しですが、これらのイベント参加が他の人と差をつけられるかといわれると、そうではありません。
ですから、こういったイベントに参加したみなさんは、ここからさらに興味や関心を掘り下げて、継続して取り組むことを心がけてください。できればこれまで書いたような大学と直接関連する活動がいいですね。推薦入試の決め球として使うのではなくて、あくまでこれから始める活動のきっかけという位置づけで考えていただけるといいと思います。
高校の探究活動で活動実績をつくる
高校の授業内でも活動実績はつくれます。そのときに活用していただきたいのが、「総合的な探究の時間」です。これは、2020年度の学習指導要領改訂のときに「総合的な学習の時間」から名称が変更されました。それにともなって、文字通り「探究活動」に高校が力を入れられるようになりました。
探究活動のやり方は高校によって違いますが、自分たちで探究したいテーマを選定し、情報の収集や整理・分析をしてまとめるという授業です。多くの場合は、まとめた内容をクラスで発表します。これは1回の授業で終わらず、学期や年間という長いスパンでテーマ選定からまとめまでを実施します。
大学によっては、提出書類の中に高校での探究活動を書くよう指示されることもあります。それくらい、大学側も気にしている内容です。もちろん、この探究活動を実績としてアピールすることができます。
さらに高校によっては、クラス内で優秀な評価を得た人に全校生徒の前で発表の機会を与えたり、他校との合同発表会、あるいは大学の先生方に向けた発表の場を用意してくれたりする場合もあります。
このようなクラスの代表や学校の代表としてプレゼンができれば、実績の高さをアピールすることができます。もちろん、その探究の内容が志望する学部であつかうテーマに近ければよりよいです。
このように、高校の探究活動は大きな可能性を秘めています。もちろんこの時間への力の入れようは高校によってムラがあり、この時間に英語や数学の授業を進めている高校や、ただの自習時間としている高校もあります。
しかし、探究活動に積極的な高校でその時間を真剣に取り組むことで、十分に活動実績としてアピールできます。学校の授業内で活動実績までつくることができれば、とても効率的です。
ぜひ、前向きに取り組んでみてください。