※本稿は、小林尚・橋本尚記『提出書類・小論文・面接がこの1冊でぜんぶわかる ゼロから知りたい 総合型選抜・学校推薦型選抜』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
推薦入試の最優先対策
総合・推薦入試(本記事では、以降まとめて推薦入試と呼びます)を考える受験生にとって、英検の取得は、評定平均を上げるのと同じか、その次に大切なことです。
また、定期テストの範囲は高校の先生が決めるので直前まで勉強内容があいまいですが、英検は過去問や対策本まであります。文字通り「今すぐ」にスタートできるという意味では英検が最優先といえます。
2020年度の学習指導要領改訂では文部科学省からは「推薦入試でも学力をチェックするように」というお達しがありました。この背景もあり、各大学の総合型や公募型では学力の確認のために、英検を出願条件にするケースが増えています。
以上の通り英検は推薦入試を受ける場合にとても大切になるのですが、実は英検の勉強は出願条件以外でも使える「お得」な勉強なのです。
くわしい説明に入る前に、クイズを1つ出します。考えてみてくださいね。
Q.英検が「お得」といえる理由に当てはまるのは、次のうちどれでしょうか? 答えをすべて選んでください。
①推薦入試の学力試験対策になるから。
②一般入試で英語のテストのかわりに使える場合もあるから。
③大学入学後の勉強で困らなくなるから。
①と③は選べたかもしれませんが、実は②も正解です(つまり①から③すべて、が正解です)。
「……えっ、英語のテストのかわりってどういうこと?」と疑問に思われた方もいるかもしれませんね。
推薦入試の出願以外の観点で、英検学習のメリットを見てみましょう。
学力試験の科目は「英語」
①推薦入試の学力試験対策になるから
1本目の記事でお伝えした通り、最近の推薦入試は学力も見られます。AO入試時代のように「とにかく実績が派手であれば学力を問わず合格できる」時代ではありません。総合型や公募型で学力試験がおこなわれるケースも増えています。
学力試験では一般入試と中身が異なり、記述や論述の形式で、知識よりは思考力を見られる問題が多いです。そして科目は英語がもっとも多いです。
各学部の研究分野につながる、英語以外の科目で実施されることもありますが、ほとんどすべての学部で必要なのが英語です。学力試験の科目に英語が選ばれるのは必然といえるでしょう。
さらに中身については論述形式、英語なら英作文の形式がよく見られます。
英作文は英検で出題されますから、英検の対策をすることは同時にこの学力試験の対策を進めることにもなるのです。

