貫井徳郎(ぬくい・とくろう)
1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。93年、鮎川哲也賞に応募した『慟哭』で衝撃的なデビューを果たす。2010年、『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞を受賞する。著書に『失踪症候群』『明日の空』『灰色の虹』ほか多数。
1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。93年、鮎川哲也賞に応募した『慟哭』で衝撃的なデビューを果たす。2010年、『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞を受賞する。著書に『失踪症候群』『明日の空』『灰色の虹』ほか多数。
重厚な長編が多い。この物語も5章から構成される。都市銀行に勤める仁藤俊実は最高学府を卒業して入行したエリート。温厚、冷静で黙々と仕事をするので若い女性行員のウケもいい。そんな仁藤が妻子を殺害した。動機は「本の置き場がほしかった」。これだけの理由で、妻と3歳になる娘を殺すのだろうか。マスコミは大々的に報じた。着目したのが小説家である「私」。この事件をテーマにノンフィクションを書こうと取材を始める。仁藤の人物像を知るために勤務先、大学、高校、中学、小学校とさかのぼって同級生や自宅付近の住人などから話を聞いていくうちに、本人の周辺で不可解な死が複数起きていたことが判明した。事件だとすれば、いずれも常識的には考えられないような動機である。
この作品を書くきっかけになったのが『追憶のかけら』(2004年)。読者から最後で犯人の動機が納得できないという声がいくつか寄せられたことだった。
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(小倉和徳=撮影)



