※本稿は、マリー秋沢『受験メシ! 子どもの「成績を上げる」簡単で確実な方法』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
日本が世界一の長寿国になった理由
現在、日本人のたんぱく質の摂取量が、「戦後レベル」にまで減っていることを、みなさんはご存じですか。飽食の時代にありながら、多くの人が、戦後の食糧難の時代と同程度しかたんぱく質をとれていないのです。そのことは、次のグラフを見るとよくわかります。
たんぱく質は、脳と心身の健康に直結する栄養素です。日本は世界一の長寿国です。平均寿命を大きく伸ばした最大の理由に、たんぱく質があると私は考えています。
日本が世界一の長寿国になったのは1978年。この年、戦後増え続けてきた動物性たんぱく質の摂取量と、日本人が昔から栄養源としてきた植物性たんぱく質の摂取量が同じになりました。
日本人は、昔から納豆や豆腐など大豆製品を日常的に食べていました。魚介類も頻繁にとってきました。加えて高度経済成長期、肉を食べるようになりました。
日本人は、大豆、魚介類、肉という3つからたんぱく質を日常的にとるようになったのです。これが、日本人の寿命を大きく延ばしたのではないでしょうか。
たんぱく質を動物性と植物性の食品の両方からとることは、子どもの心身、そして脳の健全な成長においても大事なポイントです。
なぜ、たんぱく質がそれほどまでに重要なのでしょうか?
体を構成するたんぱく質は、日々つくり替えられています。合成と分解がくり返されているのです。脳などの臓器や筋肉のたんぱく質は、古くなると分解され、再利用されるか体外へ排出されます。
一方で、体内に貯蔵されたたんぱく質の一部と、食事から摂取した新しいたんぱく質が、アミノ酸に分解されたあとに必要な場所へ届けられ、新たにつくられる細胞の材料になっていきます。