※本稿は、マリー秋沢『受験メシ! 子どもの「成績を上げる」簡単で確実な方法』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
「糖質をとりすぎる子」は脳細胞が劣化する
子どもの脳は、スポンジのように学んだことをどんどん吸収していけるもの。
そんなふうに思っていませんか?
わが子にそうであってほしいならば、やはり大事なのは血糖コントロールです。
血糖値がゆるやかに上がり、時間をかけてゆるやかに下がっていく。そして、血糖値が下がり切る前に、次の食事の時間がくる――。
こういう食事の仕方をしていくことで、脳は低血糖に陥ることなく、必要なエネルギーを得られます。それによって、脳は安定して働くことができます。
そしてもう1つ、血糖コントロールを行なうための重要な目的があります。
それは、脳細胞の「糖化」を防ぐことです。
「糖化」という言葉をご存じでしょうか。
糖化とは、体のたんぱく質と糖が結びつくこと。その結合が進んでいくと、中間体を経て、最終的に「終末糖化産物(AGEs)」がつくられます。このAGEsこそ、健康を害する大敵。細胞の質を著しく劣化させてしまう悪玉物質です。
「若い子どもの細胞に劣化なんて起こるの?」
と思われるかもしれません。しかし、子どもであったとしても、糖質をとりすぎる食生活は、糖化を引き起こします。
では、糖化が脳で生じると、どうなるのでしょうか?
中高年で問題にされているのが認知症や脳梗塞との関係です。脳にAGEsがたまると、認知症や脳梗塞が起こりやすくなることがわかってきています。
その糖化が子どもの脳で生じたとしたら……。
血管や細胞が若いため、認知症や脳梗塞が起こることはありませんが、記憶力や思考力が落ちることは十分に考えられます。脳細胞に糖化が起こっていれば、働きが低下していますから、学んだことをスポンジのように吸収していくことは難しくなります。考える力を落としては、勉強しても知識を身につけられません。
それほど、糖化が脳の働きに与える影響は大きいのです。