ナポレオン、野口英世…偉人の伝記を読む意外な効果
何もする気が起きず、ダラダラしてしまうと悩んでいるのなら、偉人の伝記を読んでみるのもオススメです。
どんな人でも、何かを成し遂げるためには信じられないほどの努力をしなければなりません。
俗に「天才」と呼ばれる人でも、何の努力もせずに偉人にはなれません。人の2倍も3倍も隠れた努力をしているものであり、伝記を読むとそれがわかります。
エジソンやナポレオン、野口英世、二宮尊徳などの伝記を読むと、心が震えるほどの感動があるでしょう。
文字を読むのが苦手なら、子ども向けの絵本でもかまいません。漫画で読める偉人の伝記の本などもありますので、好きなものを読んでください。
偉人の伝記を読むと、やはりプライミング効果によって、「自分も頑張ろう!」という気持ちが生まれてくるのです。意図的にやる気を出そうとしなくとも、自然に出てきます。
オランダにあるマーストリヒト大学のカロリン・マーティンは、73名の大学生を2つのグループに分け、ひとつのグループには、スピードスケート選手のヘラルド・ファン・フェルデについて書かれた話を読んでもらいました。
彼はソルトレイクシティの冬のオリンピックにおいて、500メートルのレースでは0.02秒差で銀メダルという悔しい思いをしたものの、気持ちを切り替え、1000メートルでは見事に金メダルを獲得したのです。
そういうエピソードを読んでもらうことで、「根気」や「やる気」をプライミングしたわけですね。
自分でも信じられないほどの力が出せる
コントロール条件の人たちには、オリンピック委員会についてのどうでもいい文章を読んでもらいました。
さて、この話を読む前後で、参加者がハンドグリップを握りつづける時間を測定したのですが、コントロール条件のグループは、2回目の測定では短い時間しか耐えられませんでした。1回目で疲れてしまったのです。
ところが、ヘラルド・ファン・フェルデのエピソードを読み、「根気」や「頑張り」をプライミングされたグループでは、2回目の測定でも長い時間ハンドグリップを握りつづけることができました。
偉人の伝記を読むようにすれば、マーティンの実験の参加者と同じように、「私だってやろうと思えばできる」というモチベーションが湧いてきて、自分でも信じられないほどの力が出せることでしょう。