<応用>文章力、ジョークのセンスを磨く

<strong>伊藤忠商事調査情報部長 三輪裕範</strong>●鉄鋼貿易本部等を経て、ハーバード・ビジネス・スクールにてMBA取得。旧大蔵省財政金融研究所、経団連21世紀政策研究所、伊藤忠商事会長秘書等を経て現職。
伊藤忠商事調査情報部長 三輪裕範
鉄鋼貿易本部等を経て、ハーバード・ビジネス・スクールにてMBA取得。旧大蔵省財政金融研究所、経団連21世紀政策研究所、伊藤忠商事会長秘書等を経て現職。

バトルイングリッシュを習得し、上級を目指したい人に、三輪氏が推すのは『どうして英語が使えない?』と『英単語のあぶない常識』だ。

「学校英語の弊害で、英語の単語1つには、1つの日本語訳が対応すると思い込んでいる人が非常に多い。実際は、辞書で最初に挙がっている意味が最も一般的なわけではないんです」という。「例えば『address』は『住所』と覚えていると思いますが、実際は動詞として『(問題に)対処する』などの意味で使われることのほうが圧倒的に多い。『buy』は『買う』だけでなく『(相手の意見を)受け入れる、賛成する』という意味でもよく使われます」(三輪氏)

三輪氏は今も、英語の雑誌や新聞を読んで気になった表現があると、文章と意味をノートに書き写して独自の単語ノートをつくり、見返しているという。

こうした努力を続けることで語彙も増え、「通じればいい」という英語から卒業し、教養ある英語を身につけられる。

このような「さらに上の英語」を目指すには、文章力も必要だ。

杉田氏が勧めるのは、Rudolf Franz Fleschの『The Art of Clear Thinking』だ。「Fleschは文章論の本を多く出しており、『簡単な文を使ってわかりやすく書こう』と説いています。ですから、彼の本はすべて文章がきれいで読みやすい」(杉田氏)。

最初は笑いのポイントがなかなか理解できないかもしれないが、ジョークの本は、文化やユーモアを理解するのに役立つ。安河内氏は『Laughter』や『The New York City Cab Driver's Joke Book』などのジョーク本をトイレに置いており「毎回1項目ずつ読んでいます」という。英語では、プレゼンや講演にジョークを織り込むのが当たり前なので、参考になるはずだ。