<量>探偵小説やマンガを「臨界点」まで読み続ける
挫折する理由の一つに、上達を感じられないことがあるだろう。達人たちは口を揃えて、「『臨界点』までは我慢して続けるべし」と説く。語学力は勉強時間に比例して上がるのではなく、最初はなだらかに上昇し、ある時を境に急上昇する。しかし、そこまでが苦しいのだ。
臨界点に達するための鍵は「量」。効率よく、量を稼ぐために、三輪氏、杉田氏は、「たくさん読むこと」を勧める。
ただし挫折しない工夫が必要だ。興味のある分野の本を選ぶといい。「映画、ゴルフ、料理など、趣味の本でもいいし、仕事に直結するビジネスの本もお勧め」と話すのは杉田氏だ。『The 7 Habits of Highly Effective Teens』は、『7つの習慣』のティーンエイジャー版で、イラストも多く読みやすい。
杉田氏はまた、「探偵小説は、世の中のあらゆる場面が出てくるので、語彙が広がる」として、Erle Stanley GardnerのPerry Masonシリーズを挙げる。
「英字新聞はビジネスマンにとって最高の教材」と言うのは三輪氏だ。まずは、Japan Timesの社説を毎日読むといい。日本のニュースは背景や内容がわかるので、読む習慣をつけやすいはずだ。半期ごとに出る『ジャパンタイムズ社説集』を利用するのもお勧め。
「語学学習は時間がかかり大変なので、教材くらいは楽しいものを」と言うのは安河内氏だ。「映画好きな人には、映画のシナリオやノベライゼーションがお勧め。原作の小説は映画とあらすじが違うことも多く、難しいですが、シナリオやノベライゼーションなら、映画を見た後で読むとわかりやすい」(安河内氏)。