筋トレやスポーツをしたあとは、どんな食事を摂ればいいのか。立命館大学スポーツ健康科学部の後藤一成教授は「筋肉を回復させるために積極的に糖質とタンパク質を摂取したほうがいい。糖質はお菓子やジュースではなく米や麺類などの炭水化物で補うのが効果的だ」という――。(第2回)
※本稿は、後藤一成『最新のスポーツ科学で強くなる!』(ちくまプリマー新書)の一部を再編集したものです。
激しい運動のあとはおにぎりを食べたほうが良い
長時間の運動(練習)を行うと、筋肉のグリコーゲンが大きく減少します。また、ダッシュやジャンプなどの動作を繰り返す中で、筋肉には微細な損傷が生じます。そのため、運動後は速やかに栄養を補給し、次回の運動に向けて準備する必要があります。さて、この際、どのような栄養素を摂取すると良いでしょうか?
まず、グリコーゲンを回復させるためには糖質(炭水化物)(*1)摂取が必要です。「糖質=砂糖」とイメージされる方もいるでしょうが、糖質には幾つかの種類があります。
砂糖(ショ糖)は二糖類と分類されますが、運動後に積極的に摂取していただきたいのは多糖類(デンプンなど)です。具体的には、お米や消化吸収に優れたエネルギーゼリー(マルトデキストリン)などです。
練習後に「おにぎり」を食べることを推奨される指導者もいますが、グリコーゲンを回復させる上で効果的です。夕方以降に、部活帰りと思われる高校生がお菓子を食べている姿を目にすることもありますが、空腹を満たすためのお菓子ではなく、「おにぎり」や「エネルギーゼリー」を選ぶべきです。
(*1)炭水化物は、消化されエネルギー源となる「糖質」と消化されない「食物繊維」に分類されます。運動をする時に重要となるのは糖質ですので、この本で用いる「炭水化物」という言葉は「糖質」を指しています。