10月には「えきねっとQRチケ」を開始予定

前述のゆいレール、北九州モノレールの仕組みは、磁気乗車券がきっぷ自体に磁気情報を書きこむのと同様に、券売機で購入した日付と発売駅、区間をQRコードに変換して印刷する。

一方、8社が導入を目指すシステムは、きっぷには乗車券情報を書きこまない。きっぷ購入時は、券売機で選択した乗車券情報(日付、乗車駅、区間など)が共用サーバーに送信され、この記録に紐づいた識別記号としてQRコードが券面に印字される。

使用時は、QRコードを自動改札機のリーダーに読ませると、改札機からサーバーに乗車券情報を照会し、有効な乗車券であれば「入場」を記録する。下車時も自動改札機からサーバーに乗車券情報を照会し、有効ならば通過できる。

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磁気券の記録容量は限られており、乗車券として最低限のデータしか保持できないが、センターサーバーなら複雑な情報でも容易に扱える。またサーバー上のデータは乗車券の購入後、使用開始後でも変更可能なので、出発から到着までさまざまな交通手段や観光地をシームレスに結びつける「MaaS」と相性がよい。

QRコード乗車券のもうひとつの利点は発券の制約がなくなることだ。磁気乗車券は特殊な用紙と磁気情報を書きこむ機械がなければ作れないため、駅や旅行代理店でしか発行できないが、QRコードはスマホで使用可能だ。

JR東日本は2020年から、えきねっとで購入した乗車券・特急券をICカードで利用できる「新幹線eチケットサービス」を提供中だが、2024年10月1日にはSuicaエリア外でも利用できるQRコード乗車券「えきねっとQRチケ」を開始する予定だ。

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