フォードのEV販売は11%低下
こうした中、フォードのEV販売は2024年1月、前年同月比で11%低下。一方、韓国のヒョンデのEVは42%増加、その傘下の起亜も57%の伸びなど明暗が分かれた。
だが2月中旬現在、「負け組」のフォードはEVピックアップトラックの「F-150 Lightning」2023年モデルを1万2500ドル(約188万円)もの超大幅値下げ、「勝ち組」のヒョンデも「IONIQ 5」の2024年モデルを7800ドル(約120万円)も値引きしている。
このように、EVのインセンティブは過去1年間で平均取引価格(ATP)の6%から18%と3倍に引き上げられている。にもかかわらず、一般消費者の反応は弱い。
バイデン政権は2032年に新車販売の67%をEVにするという目標を打ち出している。年間約1500万台の米新車市場において、67%は1005万台に相当する。
2023年のEV販売実績は119万台なので、10年以内にEV販売台数を8倍以上に引き上げることになる。そのためには、毎年30%近い高成長をコンスタントに維持する必要がある。
バイデン政権にも目標緩和の動き
コックス・オートモーティブの予測では、米新車販売におけるEVの割合は、2023年の8%から2024年に10%へ伸び、2025年には15%に達するという。
一方、米調査企業J.D.パワーの予測はさらに楽観的で、EVの割合は2024年に12%、2025年に18%だという。
2社とも、年率30%の拡大をクリアするという予想で、バイデン政権の「2032年の新車販売の67%がEV」という目標が実現できると見ている。
だが、当のバイデン政権はそう見ていないようだ。
バイデン政権は2027年~2032年に乗用車排ガス規制を強化する計画を打ち出していたが、2027年~2030年分に限り、年間の排ガス削減基準を従来案より緩和する見通しだ。