55歳前後で死ぬはずのヒトが長命になったワケ

死は、他者を生かすための、最も利他的な行為とも言えるでしょう。私たちは、人類の先祖の死と引き換えに生かされてきたのであり、死ぬことによって、将来の人類に「恩送り」ができるというわけです。そう考えれば、自分の死が意味のあるものとわかり、慰めになるのではないでしょうか。

ご存じのように、ほとんどの生物は、子どもの誕生や成長を見届けると死んでしまいます。例えば、サケは、自分が生まれた川に戻ってきて産卵すると、力尽きたように息絶えます。そうした姿を、皆さんも、TVの映像などでご覧になったことがあるはず。しかし、「万物の霊長」を自称する人類は、いささか特殊と言えるでしょう。