心の消耗を防げる

ただ、これは「ダッシュ」して「1分間で終了」にしましょう。

片づけてみたら思った以上にできそうだからといって、1時間も2時間もやってしまわないようにします。1分でいったん終了、できればそこで切り上げましょう。

この方法のメンタルへの効果は、不思議なくらいにあります。

少なくとも先に述べたとおり、思考が停止してくれます。さらに作業が進みます。

思考を止めて作業を進めるのが、心の消耗を防ぐ小さなコツなのです。

逆に思考だけが走って行動が止まったままだと、心は激しく消耗します。

頭の中で「やらなければいけないこと」や「できたときの達成感」を空想し、その空想が体を駆り立てるのに、現実はひとつも変わらないというのはつらいものです。

仕事の疲労で目を抑えるビジネスウーマン
写真=iStock.com/Jirapong Manustrong
※写真はイメージです

取りかかってみる「1分着手」

「1分間ダッシュ」とは別に「1分着手」というやり方もあります。

これは拙著『先送り0』(技術評論社)で説明したやり方です。こちらもとても簡単で誰でもすぐにできます。

少なくとも1分間、作業や仕事に「取りかかってみる」というだけです。

ただしこちらは、「1分間ダッシュ」のように1分で必ず打ち切るのではなく、続けてやれそうだったら作業を続けましょう。

そういう意味で「ダッシュ」しなくていいと思います。

あくまでも、1分間はダラダラとでもいいので作業すればいいわけです。

これは場合によっては2時間、3時間と続けてしまってもかまいません。

まとめると、「1分間ダッシュ」と「1分着手」のちがいは、「1分でやめる」と決めておくかどうかだけです。

これは先に決めておき、それだけは守るようにしてください。

「ダッシュ」のほうは「ダッシュすること」にも意味があります。

続けてしまったといっても、1時間もダッシュし続けられるものではありません。

<point>「思考が走って行動は止まったまま」の状態がいちばん消耗する