人に怒られて傷ついてしまった時にはどうすればよいのか。タスクシュート協会理事の佐々木正悟さんは「怒らせた相手との関係をケアするべきだが、実際に難しいケースもある。そういう時は誰でもいいから、他の人との関係をケアするとよい」という――。

※本稿は、佐々木正悟『「ToDoリスト」は捨てていい。時間も心も消耗しない仕事術』(大和出版)の一部を再編集したものです。

人に怒られたら立ち直れなくなるタイプ

「人に怒られると立ち直れなくなる」と人並み以上に思い悩んでいたのは私でした。

だから私は、誰にも怒られることのない「物書き」を仕事に選んだのです。

物書きだって、たとえば「編集さん」に怒られるのではないかと思う人もいるでしょう。でもそういうことは、めったにありません。

また、極端な話をするなら「怒られたら辞めてしまえばいい」と以前は思っていました。会社員とちがってひとつの企画をやめにしても、物書きならば続けられます。

私の考え方はしかし極端すぎたといまなら思います。別に怒られたら怒られておけばよく、会社も作家もなにも辞める必要などないわけです。

しかし、そのように思えない人が「消耗」するのでしょう。

私もそういう意味で、まさに「消耗する人」だったのです。

とはいえ、私の極端な考え方にも一理くらいはあったかもしれません。

「本当にイヤになったら辞めればいい」と思っておけば、ちょっとしたことには耐えやすくなるものです。

キーボードの上に"I Quit!"と書かれたメモ
写真=iStock.com/Photoevent
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叱責がつらいのは自分が傷つくからではない

じつは、この「叱責」がつらいのは、叱責によって自分が傷つくというより「相手との関係が傷つく」せいです。

私は、自分が会社員はムリだと思い込んでいました。なぜなら、傷ついた関係を続けるのがつらすぎると考えたせいなのです。

なんの職業に就いていても「怒られること」をゼロにはできません。セルフパブリッシング(自費出版)でひとりでものを書いて生計を立てていても、病院でお医者さんに怒られるかもしれないのです。

生きている限り、誰にどう怒られるかなどわかりません。「会社に勤めない」のではまったく不十分なのです。

では、どうすればよいのでしょう?

まず理想論から入ります。たとえば私でいえば、編集さんを怒らせたら編集さんとの関係をケアするべきなのです。