※本稿は、佐々木 正悟『「ToDoリスト」は捨てていい。時間も心も消耗しない仕事術』(大和出版)の一部を再編集したものです。
7時間は寝よう
ただこれだけです。
1日、最低でも7時間は眠るようにしましょう。
私は7時間30分から8時間くらい寝るようにしています。
そもそも私が「タスクシュート」などで時間と行動の目安をつけているのは、7時間は寝られるように計画するためでもありました。
まず朝はだいたい7時に起きます。
その時点でタスクシュートをチラ見し、少なくとも同じ日のうちに、つまり夜の23時台にはベッドに入れるかどうかを確認します。
そこから、いくつかの時間のポイントごとに、23時台に寝られるかどうかをチェックします。たとえば、朝ごはんを用意して食べ終わったとき、やはり23時に寝られるかどうかを見ます。
さらに、できれば1日の早い段階で、人と会う約束があればその時間に間に合うかどうかをたしかめます。昼の14時に東京駅で待ち合わせるなら、家を12時台には出なければなりません。
このように、私のタスクシュートの運用ルールはとても単純です。
・約束の時間は守らなければなりません。
・締め切りが迫っている仕事から先に手がけます。
・夜の23時台に寝ます。
あとは好きなことを好きなようにするだけです。
眠りで「再起動」を
消耗に対していちばん効く薬は、「睡眠」だと私は信じています。
理由を挙げると、「心のスペースを占有していたいくつかの記憶」が睡眠中に整理されるからだろうと考えます。
そういう意味では、睡眠はハードディスクの「デフラグ」とどこか似ています。
「心の許容量」が圧迫されたまま仕事をすると、仕事は進まず心理的な疲労も増大します。眠りはそんな私たちを「再起動」してくれるわけです。
人間関係も大事ですし、好きなことをするのも悪くないでしょう。
しかし、そのどちらも「十分に寝られたうえでの話」だと思うのです。
これにいわゆる「エビデンス」を探せば見つけられると思います。しかし私はあまり証拠を探す意欲がわきません。
私自身はもう50歳になります。幸いこの歳まで、本格的な神経症や精神障害で仕事がまったくできなくなったという経験がありません。
そして、そのことと「生まれて1日も徹夜をしたことがない」ことは深く関係していると感じているのです。
日本人は空気を読みすぎるとか生きづらい世の中を作り出すとか、いろいろな「民族性」がいわれます。私はその「日本人は」という主語の大きさに不信の気持ちがあります。
しかし、「日本人は睡眠時間が短すぎる」という言説だけには同意します。
私たちはもっと長く眠るべきです。