ルーティンを守れば目標が達成できるわけではない

ものすごく速く走ればほかの場所に行けるとアリスは信じていたのに、鏡の国では通用しませんでした。道は互いに通じていると信じていたのに、そうじゃなかったのです。

イ・ダヘ『仕事帰りの心 私が私らしく働き続けるために』(かんき出版)
イ・ダヘ『仕事帰りの心 私が私らしく働き続けるために』(かんき出版)

新しいルールを適用しなければならないとき、過去のルールに埋もれていたら、「決して」目的地にはたどり着けません。ルーティンをつくってその中で誠実に反復を繰り返すのも魅力的ですが、ルーティンを守るからといって目標を自動的に達成できるわけではありません。

回し車をちゃんと回せる能力と、回し車の外で出口を探す能力は、それぞれ異なる性質のものであり、ルーティンが確固たるものであればあるほど、ときにはそれ以外のところで考えるトレーニングが必要になります。

いくらよい習慣だとしても、それはあくまでも習慣。堅固な枠なのです。

自分が得意だと思っているやり方を変えてみる

ありきたりな考えにとらわれていると感じ始めたら、自分にぴったりで、自分が得意だと思っているやり方のうちの一つぐらいは、新しいものに変えてみましょう。

会議のスタイルや報告書作成の方法を変えてみたり、日課をこなす方法を変えてみてもいいかもしれません。今までは午後のほうが集中できたけれど、いつからか午前中のほうが効率がよくなっている場合もあります。

あなたの働く業界がそうであるように、あなた自身も変化している生命体なのです。自分の知識や判断に限界があると認めるとき、人は謙虚になって変わることができます。だからこそ、異業種の人に会ったり、関連書籍を読んだりする時間は、私にとっても大切な時間になっています。「箱の外に出て考えてみること」ほど、効果のあるシークレットキーはありません。

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