嫉妬心とどう付き合うべきか。韓国の人気エッセイスト、イ・ダヘ氏は「嫉妬心が生まれるのは、理想の自分と現実の自分にギャップがあるときだ。人をうらやましく思う気持ちは成長のための原動力になる」という――。

※本稿は、イ・ダヘ『仕事帰りの心 私が私らしく働き続けるために』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

会議テーブルに一人で座って涙する女性
写真=iStock.com/Martin Barraud
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人は嫉妬心から逃れることはできない

健全な心とはどういうものを言うのでしょう。ただ太陽の日差しだけで影もなく、荒波も起こさないことでしょうか。でも、永遠に浮かんでいる太陽など存在しないし、日が差しているのに影をつくらない方法なんて聞いたことがありません。嫉妬について私が思うことも同じです。

欲しいものがたくさんあるとき、私たちの視野は狭くなるものです。国語辞書では「嫉妬」をこう定義しています。「ほかの人がうまくいったり、自分より優れていると感じる人に対してあからさまに羨ましく思い、妬むこと」。ここにはポジティブに解釈する余地は一切ありません。

「あからさまに」他人を妬む人の顔を見たことがありますか。顔のつくりとは関係なく、心のどこかから暗い気持ちがどうすることもできずに漏れ出てくるような人相になってしまうこと。他人の不幸を喜ぶ顔、心配しているふりをしながら内心喜んでいる顔。おそらくそれがごく普通の嫉妬の顔でしょう。