気分に左右されず毎日努力するプロフェッショナルたち
「仕事」にフォーカスをあてて話を聞いていると、彼らの「見えない努力」が目に入ってきました。毎日繰り返す練習やトレーニング、勉強です。
毎日眠るように、毎日ご飯を食べるように、練習したりトレーニングしたり勉強したりする。ウォーミングアップと全力疾走の間に、その日その日に割り当てられた分量をこなす。一般人から見ると全力疾走のレベルで、彼らが判断する全力疾走の基準ではウォーミングアップレベルのことをしながら一定時間を過ごす。彼らのモットーは「一日でも休むと(翌日の)自分が(低下した力量を)わかる」というもので、もちろん文字どおり一日もかかさずという意味ではないにせよ、「できるのに気分やコンディションを理由にしてやらないということはない」のです。
もっと知りたい人のために断言するなら、「できない」状況とは、「やりたくない日」ではなく、入院だとか長距離移動、冠婚葬祭などの外部的な状況を言います。
1日の中でとにかく集中して取り組む1時間を設ける
実のところ、私はそういう毎日の練習やトレーニング、勉強などの話を聞くと、ちょっと羨ましくなってしまいます。私も本を読まない日は一日もないといえるレベルなので、まあ、毎日勉強していると言えないこともないのですが、ゆるい読書と勉強のための読書は同じはずがありません。
日常から脱して、何かに没頭する時間をもつべきなのでしょうが、演奏家やスポーツ選手の「毎日の練習」に対する崇高なまでの献身を簡単にまねるのは至難の業です。
それでもあえて、「かかさず集中する一時間」をつくるために努力するのです。勉強にせよ読書にせよ、なんにせよ、事前に計画したとおりに集中する時間をもとうとします。一定量の文章を読んだり、書いたり、一定時間体を動かす。「だめなら仕方ない」という考え方をやめて、「なにがなんでもやってみよう」と行動してみるのです。
仕事とは関係のない没頭時間をつくるために一番重要なのは、「しっかり休んだ体」でもあります。だから、結果的には規則正しい生活をするようになります。こうして最低ラインを徐々に上げていけば、いつしか最高のパフォーマンスを更新できるはずと、自信をもてるようになるのではないでしょうか。