「他人より優位に立ちたがる人」への対処法

さて、ここまで様々な「他人に対してマウントを取り優位に立とうとする人」についてお話ししてきました。

ではこのような人に出会ったらどうしたらいいのか。

まずは相手を冷静に客観視して観察してみることが大事です。

そのためには、少し距離を置いた関係性であることが望ましいでしょう。

私がよく相談を受けるのは「自分に対してマウントを取ったり、愚痴や他人の悪口を常に自分に対して吐き捨てられたりするのが耐えられない、どうしたらいいものか」というケースです。

この場合は、嫌なことをする相手を本人が受け入れているのではないかと考えます。

そもそも、そのような人物に近寄られて不快なことをされても、断らずに受け入れてしまうとその後もずっとその人から不快な扱いを受け続けることになります。

「私はあなたの心のゴミを受け入れます」というメッセージになっているのかもしれません。

また、マウントを取る人や自己愛性の強い傲慢不遜な人物に対しては、闘うよりもスルーすることが大事です。

私も以前ある講演会で隣り合わせに座った女性経営者の自慢話をずっと聞かさせられて辟易していましたが、私はあることをしました。

それは頷いたり、相槌を打つことを控えることです。

目線もあちこちを見たり遠くを見たり、何かが気になるそぶりをしたり、反応を薄くしました。すると、彼女は私に近寄ることはなくなっていったのです。

大鶴和江『「ずるい攻撃」をする人たち』(青春出版社)
大鶴和江『「ずるい攻撃」をする人たち』(青春出版社)

このスキルは「ラポール切り」と呼ばれるテクニックで、あからさまな拒絶ではなく、その人と適切な距離を取ることができます。縁を切りたい人には効果大です。

または、このような人とどうしても関わりを切れないという方は、自分の両親のどちらかに似た要素をその人に投影しているため、心が凍結し麻痺してしまっているのかもしれません。

その場合は、その人に関わることで自分という存在を感じられているのかもしれませんので、嫌な人と関わること自体が心理的な利得(メリット)となっている場合が考えられます。

そのようなケースでは、いきなりご縁を切ると恐怖が強くなってしまうので、慎重にその恐怖の根源である、両親とのトラウマを解決することを優先させましょう。

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