この10年でコールドプレスジュースが人気になったワケ
そして、この10年で流行したのが、コールドプレスジュースです。
コールドプレスジュースは、従来のジューサーよりも低速で回転する機械を使用し、低温でゆっくりと果物や野菜を圧搾してジュースを抽出します。
この抽出方法によって熱が発生せず、栄養素や風味をより多く保持できるとされています。かなり高価な機械ですが、ヘルシーで栄養価が高い飲み物として注目されると、健康志向の高い人やフィットネス愛好者の間で人気となりました。
その後、コールドプレスジュース専門店やパッケージ商品としてコンビニなどでも広く販売されています。
この流行の裏には、人々が健康や美容に対する意識を高めたり、新しい飲み物の体験を楽しみたいという消費者のニーズが影響しています。
野菜レストランを経営している知人も、このコールドプレスジュースの機械をいち早く購入し、栄養価の高い野菜ジュースを提供し始めています。実際にいただいてみると、野菜のクセがなく甘さもあってとてもおいしいジュースでした。
そんな知人の悩みは、残った搾りかすの利用法でした。「パンに混ぜ込んでみたり、ハンバーグに混ぜ込んだり色々試している」と試行錯誤している様子でしたが、ついに「数種の野菜(搾りかす)入りハンバーグ」としてメニューに加わったようです。
絞りかすは食物繊維の固まりなので、パンやケーキの生地に混ぜ込みやすく、野菜の色や食物繊維という付加価値が加わります。最近では、ジュース専門店とベーカリーの循環型経営をする会社も目立つようになりました。
野菜以上の効果を求め、より健康的な飲み物へと進化
このように野菜飲料市場は、消費者の健康意識が高まるたびに成長を続けてきているのがわかります。消費者が求めるものは、野菜の量や栄養だけでなく、甘さ控えめや低カロリー志向など多方面に広がり、野菜本来の価値にも着目した商品が開発されています。
最近の紙パック野菜飲料には「野菜の粒入り」といった表記も見られ、野菜の食感や繊維感を売りにしたものがあります。さらに、オメガ3、食物繊維、プロバイオティクス細菌、酵素などの機能成分を追加したものも目立ちます。
このように、野菜ジュースは野菜そのものに近づきつつ、野菜以上の効果を求め、より健康的な飲み物へと進化しているのです。