※本稿は、梅田みどり『野菜ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
野菜ジュースは飲めば健康になれるか、それとも嗜好品なのか
「最近、野菜ジュースを飲みましたか?」
こんな質問を、私の周りの友達や仕事仲間に投げかけてみました。
返ってきた答えは「コンビニで弁当と一緒に買った」「箱買いして毎日飲んでいる」「青汁のパウダーを飲み始めた」など、野菜ジュースを意識して飲んでいる人が結構いました。
さらに踏み込んで、何のために飲んでいるかを聞くと、「最近野菜不足だから」「健康にいいと思ったから」「野菜ジュースは体にいいから」といった、健康維持のために飲んでいる人が多いようでした。
こうした意見がある一方で、「糖分が多いから飲まない」「野菜ジュースは野菜の役割を果たさない」「美味しくない」といった、“飲むだけ無駄派”も同じくらいいました。
はたして野菜ジュースは、飲めば健康になれるのでしょうか。それとも、ただの嗜好品なのでしょうか。
日本の野菜ジュースと言えば、1970年代にカゴメから発売されたトマトジュースが始まりと言われています。トマトの絵が描かれた缶入りのトマトジュースが我が家にもありました。
しかし、独特の匂いやとろみ、不自然な塩分でとてもおいしいとは思えませんでした。栄養があるからと大人が飲んでいたのでしょうが、私の実家では畑で野菜をたくさん作っていたので、普通に野菜を食べればいいのにと子どもながらに感じていました。
その後、紙パック入りの飲料が広まるとともに、「野菜と果物のミックスジュース」が各メーカーから発売されました。当時、子育て中だった私は、子どもに与えるジュースには、明治の「やさいとりんご」やグリコの「幼児用野菜&フルーツ」をよく選んでいました。
「どうせジュースを飲むなら、栄養も一緒に摂らせたい」という母の思いとも重なり、非常に売れていたと記憶しています。その後も消費者に支持され続け、両者とも今もなお販売されているロングセラー商品となっています。