185cm、100kgのラグビー選手は肥満?

ですから、年齢・性別・居住する国・人種などあらゆる要素が共通する集団の中で、自分がどの程度なのかを知るには有効かもしれません。ただし、個人レベルのダイエット目的にBMIを用いるのは、あまり有効的な活用にはならないでしょう。

その粗さが表れる個人レベルの例を挙げてみましょう。例えばアスリート。先ほどのラグビー選手の例を使うと、身長が185cmで100kgの選手は日本の基準では肥満の扱いになります。

体重計の数字がその人の体組成を反映しないため、脂肪よりも重たい筋肉をたくさんつけた選手は、肥満とはかけ離れた体組成をしていても肥満扱いになってしまうのです。同じ身長185cmで100kgの運動不足の人と、区別されることなく同じ肥満のカテゴリーに入ります。

BMIに頼るダイエットにメリットは少ない

また、人種による問題もあります。人類の発展の過程で航海の長旅を可能にするために大きな体格に進化した太平洋諸国の人々は、遺伝的に体格が大きいだけで健康体なのに、肥満としてカウントされてしまうことが医学の領域で問題視されています。

mikiko『ニュージーランド式 24時間やせる身体をつくるベストセルフダイエット』(Gakken)
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肥満のランキングは上位10カ国のほとんどが、太平洋諸国の国々となってしまっています(生活習慣の悪化による肥満も存在するので、この全てがBMIの誤差によるものではありませんが)。

反対に、遺伝的に体格の小さい日本のような国では、BMIによる基準を調整する必要が出ています。国際基準では30以上が肥満ですが、日本では25以上を肥満という分け方がされています。

しかし、身体の構成が異なる男女・年齢で区別することもない指標であることから、身長と体重の数値だけで出すBMIに頼ってダイエットをすることは、個人レベルにおいてはあまりメリットのあることとはいえないでしょう。

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