武さんが、アドバイザーの仕事の神髄を具現化してくれた
【高木翔太氏(以下、高木)】このたびは、当社の企業公式アンバサダー就任、そしてテレビCMへのご出演、ありがとうございました。最初にオファーを差し上げたとき、どのように感じられましたか。
【武豊騎手(以下、武)】率直に言うと「なんで俺に?」って(笑)。僕には縁のない世界ですし、M&Aと聞くとなんとなく「会社を売って終わり」というイメージがあったんです。ただ、御社から「さらなる成長を目的として、パートナーシップのもとに戦略的に行うM&Aがある」という話を聞いたときに「たしかに競馬と通じるところがあるな」と思いました。
競馬は馬とジョッキーに注目が集まりますが、実際には、厩務員さんや調教師さんなど多くのパートナーの仕事によって、馬やジョッキーはレースに臨むことができるわけですから。

1969年、京都府生まれ。1987年、JRA騎手としてデビュー以来、GI通算100勝、JRA通算4500勝など、数々の史上初、史上最速の記録を塗り替え続けている。2022年には歴代最多を更新する日本ダービー6勝目を飾るなど、50歳を越えた現在も世界を舞台に活躍する、日本競馬界のレジェンド。
【高木】完成したCMでは、武さんが当社のアドバイザー役になって、工場の経営者に寄り添っているシーンが印象的でした。
【武】すごく緊張しました(笑)。自分の名刺を持ったこともないので、交換の仕方から教えていただいたんです。演技は苦手ですが、少しでもインパクトを残せたらという気持ちはありましたね。
【高木】CMを放映して、もちろん外部からの反響も大きかったのですが、社員たちがすごく喜んでいたんです。自分たちの仕事を武さんが「経営者に寄り添う」という姿で映像にしてくれた、と。自分たちの仕事の神髄を具現化してくれたことが、私自身も含めて、とてもありがたかったです。

2013年、LINE(株)入社。LINEバイトやLINE MUSIC等の企画・営業・マーケティングを推進。2020年に出前館との資本提携をきっかけに、出前館のマーケティング部長としてマーケティング活動を推進。現在はM&Aベストパートナーズ取締役CMOの他、複数社の取締役を務める。競馬好きが高じて馬主の資格を取得。
パートナーと成長する上で大切なのは「信頼関係」
――御社のアドバイザーは数年間にわたって経営者に寄り添うケースもあると伺いました。
【高木】はい。初回訪問から2~3カ月で成約する場合もありますが、4年半ほどかかったこともあります。そのケースでは、新型コロナの影響で会社の状況が変わるというアクシデント等もあり、定期的にコミュニケーションをとり続けていました。
私たちの仕事において最も大切なのは、信頼関係です。多くのアドバイザーにとって、経営者の方は自分の親に近い年齢であることも多いのですが、一緒に温泉やゴルフを楽しむ仲になり、少しずつ信頼関係を築いている人もいます。
【武】たしかに、時間をかけて信頼関係を築いたパートナーの存在は大きいですね。僕たちジョッキーは、馬主さんや調教師さんが「この馬に、どのレースで、誰に乗ってもらおうか」と相談した結果、騎乗依頼を受けます。
もちろんジョッキーは「一度きりでも結果を出したい」という気持ちで乗るんですけど、「長く続けて乗ってほしい」と言ってもらえると、戦略的に「一緒になって馬を育てていこう」という気持ちになるんです。長くコンビを組んだ馬で、結果として大きいレースで勝つことができたときは、それはもう格別です。「皆で目標に向かっていって、結果が出た」という瞬間は、騎手冥利に尽きますね。
製造、建設、不動産、医療・ヘルスケア、物流、IT業界に特化
【高木】それはやはり、武さんの「スペシャリストとしてのたしかな実績」が、信頼につながっているのでしょうね。当社は、「業種に特化したM&Aの仲介」を強みとしていて、製造、建設、不動産、医療・ヘルスケア、物流、ITの各業界に精通したアドバイザーがM&A仲介をサポートするという点が、他社との最大の差別化ポイントです。
例えば不動産業界であれば、「不動産業界で会社を売りたい・買いたいと考えている経営者が何を求めているのか」を正確に把握することができるプロフェッショナルが対応します。クライアントである経営者は、最初から1社だけに依頼するケースもあれば、何社かに話を聞いた上で選ぶケースもありますが、当社の「アドバイザーの専門性」を高く評価していただき、お任せいただくケースは少なくありません。
【武】やはり、一人ひとりがプロフェッショナルで、互いに尊敬しあえるからこそ、真のパートナーシップが生まれ、共に成長することができるんですね。
アドバイザーが専門スキルに集中して働ける環境
――御社では「共に成長する最高のパートナー」であるアドバイザーが、生き生きと働ける環境づくりを重視されているそうですね。
【高木】はい。完全成果主義で、働き方はアドバイザーに一任しています。アドバイザーが最も力を発揮するのは、「経営者の方と会って営業活動をする」という部分ですから、例えば手紙を送る、電話をするなどアポイントをとるための仕事は、専門のスタッフが担っています。
訪問する際に必要な企業情報の調査や資料作成も、もちろん自分で作成するケースもありますが、専門のバックオフィスが行うなど、営業に集中できる環境を整えています。
【武】なるほど。専門スキルに集中して働くことができるということですね。
【高木】そうです。多くのアドバイザーは、もともと大手企業で高い年収を稼いでいたプレイヤーです。きわめて高いスキルを持つ人たちが、さらなるステップアップを目指して当社に来ているわけですから、能力を発揮できるように働いていただかなければ、会社としても機会損失になります。だからこそ「専門スキルに集中できる環境づくり」は重要視しています。

異なる強みを持った会社が手を携えることで事業が成長する
――事業を通じてどのように社会に貢献されるのか、今後の展望をお聞かせください。
【高木】昔と比べたら変わってきているとは思いますが、M&Aにネガティブなイメージを持っている経営者の方がいらっしゃいます。ですので、私たちの事業を知っていただくことで、「成長型M&A」という選択肢があることを、より多くの方に知っていただきたいですね。
異なる強みを持った会社が手を携えることによって、事業をさらに成長させ、その結果として、従業員の給与が上がっていくケースも多いんです。M&Aにポジティブな印象を感じていただけるように、さまざまなことにチャレンジしていきます。
【武】高木さんのお話を伺って、自分の世界と相通じる部分が多くて勉強になりました。特に「信頼関係が大切」という部分は、本当に大きいと改めて感じました。ジョッキーは、馬がどういう状態で、何を訴えているかを常に感じ取ろうとしています。馬は話さないのでどこまで理解できているか自信はありませんが、パートナーシップを築く上では大切なことだと思います。
【高木】そうですね。経営者のふとした仕草や雰囲気から「きっと、こういうサポートが必要なんだろうな」と察することができるアドバイザーが、最良のパートナーシップを生み出すのだと思います。武さんとも、今後も良きパートナーとしてお付き合いいただけたらうれしいです。本日はありがとうございました。