先進医療を受けられる人は一握り

Q. 先進医療特約は?

不要です。なぜなら先進医療は実際に、なかなか受けることができないから。

そもそも先進医療とは、どんな医療なのかご存知でしょうか。厚生労働省が認めた高度な医療技術のことです。特定の大学病院などで研究・開発された難病などの新しい治療や手術は、ある程度実績を積んで確立されると、厚生労働省に「先進医療」として認められるのです。つまり、「保険適用になる場合とならない場合があり、ある一定の有用性や安全性は認められている試験段階の医療」なのです。

しかし先進医療特約はハードルが高く、そのような画期的な医療を受けることが難しいといわれています。その証拠に、令和2年7月1日〜令和3年6月30日実績で先進医療を受けられた方は5843人しかいません(出典:厚生労働省先進医療:令和3年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について)。

1億2千万人の日本の総人口を考えると、割合として非常に低いのです。

先進医療を目的に保険に入る必要はない

理由としては、2つあります。1つ目は、先進医療が受けられる医療機関がだいぶ絞られること。

「重粒子線治療」や「陽子線治療」をはじめ、特殊な設備や専門かつ高度な技術を持った医療従事者を必要とする先進医療技術では、実施医療機関がだいぶ限られてしまいます。例えば、重粒子線治療の場合は全国で7施設しかありません(厚生労働省「先進医療を実施している医療機関の一覧 令和6年2月1日現在)。

2つ目は、対象患者さんの条件が厳しいこと。医療技術ごとに対象となる症状などが、あらかじめ決まっているので、該当しなければ対象となりません。

このような理由を考えると、ハードルが高く対象になる可能性が低い保障を、お金を払ってでもあえてつける必要性はあるのでしょうか。ただ、月々数百円程度の保険料なのでそこまで負担にならないかもしれませんが、医療保険やがん保険に付加するものなので、先進医療のためにわざわざ医療保険などに入るのはやりすぎな気がします。