お金はどのように貯めればいいのか。鎌倉投信社長の鎌田恭幸さんは「インフレ局面では、銀行預金のような低金利だとお金は実質的に減ってしまう。物価上昇に備えて、株式投資を考えたほうがいい」という――。
※本稿は、鎌田恭幸『社会をよくする投資入門 経済的リターンと社会的インパクトの両立』(NewsPicksパブリッシング)の一部を再編集したものです。
お金を増やすシンプルな3つの方法
あなたは何のために投資をするのか? 一般論として整理しておきたい。
一言でいえば「お金を増やすため」だ。それ以上でも、それ以下でもない。そうでなければ、銀行口座に寝かせておくほうが手間もかからない。
あなたがお金を増やす方法は、シンプルだ。
①収入を増やす
②使うお金を減らす
③いま使わないお金を投資に回す
②使うお金を減らす
③いま使わないお金を投資に回す
この3つ、もしくはこれらの組み合わせだ。
このなかで、①収入の増加と②支出の抑制は、あなた自身が能動的に働きかけることによってお金が増える。対して③の投資はお金に働いてもらう。正確には、投資する先にある会社や人に働いてもらうことによって、お金が増えるといった違いがある。
貯蓄だけでは購買力の維持と資産増加はできない
そして、あなたが実際に意識しているかいないかは別として、③の「いま使わないお金を投資に回す」ことには次の3つの意味合いが含まれている。
①貯める:将来使うお金を、いま使わずに別の財布に蓄えること
②維持する:いま使わないお金を物価の上昇に強い資産に替えて、お金の実質的な価値(購買力)を減らさないようにすること
③ 増やす:②に加えて、物価の上昇(インフレ)率を上回って、価値が上昇する可能性の高い資産を保有することによって、将来受けとるお金を増やすこと
②維持する:いま使わないお金を物価の上昇に強い資産に替えて、お金の実質的な価値(購買力)を減らさないようにすること
③ 増やす:②に加えて、物価の上昇(インフレ)率を上回って、価値が上昇する可能性の高い資産を保有することによって、将来受けとるお金を増やすこと
このとき、なぜ銀行預金ではいけないのだろうか。答えは簡単で、①貯蓄だけであれば、タンス預金や銀行預金でもよいのだが、②購買力の維持と③資産価値の増加を満たそうとすると銀行預金ではかなわないからだ。実質的なお金の価値を維持することができないのだ。詳しく見てみよう。