週刊誌の「負の情報」にさらされ続けている

では、皇室に対する「世論」形成はどのようにつくられるのだろうか。

秋篠宮家の長女・眞子さんと小室圭さんの婚約・結婚騒動のときの報道合戦を挙げるまでもなく、週刊誌報道が世論作りに大きな影響を与え、世論は週刊誌につれて動くのである。

しかし、女性誌は別だが、週刊誌報道の多くは「負の情報」である。秋篠宮眞子さんの婚約相手(当時)であった小室圭さんの母親の「金銭問題」「一族の悲運な歴史」などが典型的なものだが、秋篠宮紀子さんが従業員たちにつらく当たるという「ご難場」報道などもその中に入る。

紀子さんは、自分たちが週刊誌やSNSにどう書かれているかをチェックしているといわれる(これも週刊誌情報だが)。いくら神経の太い人でも誹謗中傷とも思われるネット情報や週刊誌を読めば、心穏やかでいられるはずはない。

今年の初めに、紀子さんに胃腸の不調があると、皇嗣職大夫から公表されたことがあったが、これは負の情報の読みすぎではないかと、私は感じた。

私が紀子さんの近くにいたら、「そうした情報をあまり読まないほうがいい。体に障りますよ」とアドバイスしてあげるのだが。

皇室と週刊誌メディアは以前から不幸な関係にあったが、それが最近さらに深刻化してきているように思う。

「上皇后さまからの『重いお言葉』」報道

そう感じさせたのは『週刊新潮』(5月30日号)の報道だったが、その前に『女性セブン』(6月13日号)のこんな記事を紹介しよう。

セブンは5月26日に岡山市で行われた全国植樹祭の式典に出席された雅子皇后が、主催者挨拶で額賀福志郎衆院議長が登壇した際、「雅子さまは、ひときわ強い視線を声の主に注がれた――」と報じた。

その理由は、新潮がこう報じていたからだった。

政府の有識者会議は2022年1月、皇位継承策として「女性皇族が婚姻後も皇室に残る」「旧宮家の男系男子を養子縁組で迎える」の2案を国会に提出した。

だが、報告書を受け取った当時の細田博之衆院議長は、保守派への配慮もあってこの議論を避け続けた。

2年もの間放置されてきたが、昨年10月に額賀氏が議長に就任すると、「立法府としてどうすべきか整理していきたい」と、当初から意欲を見せたという。

額賀議長が“前のめり”になったのは、「上皇后さまからの『重いお言葉』があったからだというのだ」(新潮)。