秋篠宮家報道では「佳子さまの婚活」が白熱
新潮報道がデタラメだというのではない。だが、皇室制度を根幹から揺るがす報道の「真偽」を、このまま放置しておいていいわけはない。
こうした時、新聞がその真偽を検証する役割を担うべきだが、皇室報道に関して新聞はそうした役割をとっくに放棄しているように思わざるを得ない。
新潮だけではないが、このところ秋篠宮家の次女・佳子さんの結婚に関する記事が多くみられる。
佳子さんは今年の誕生日で30歳になる。まさに結婚適齢期真っただ中である。
このところお相手候補として挙げられているのが、旧華族の中でも名門といわれる島津家の佳子さんより1歳年上でメガバンクに勤めている男性である。
4月13日に開催された旧華族の親睦団体「霞会館」で、島津家の私的会合「錦江会」が開かれ、上皇夫妻、秋篠宮夫妻が参加したが、そこに佳子さんもいたというのである。
「あれこれ思いを巡らせるお姿を案じられた上皇后さまが、御自ら『有力な選択肢』を示されたというのだ」(新潮)
ここでも上皇后が登場してくる。
まあ、秋篠宮眞子さんは上皇・上皇后にとって初孫だったため、小室圭さんとの結婚騒動の際は、上皇后は大変心を痛めていたという報道があった。佳子さんや天皇の長女・愛子さんのことも気にかけているというのは頷ける。
だが、これが報じられると、早速、そのお相手候補を多くの週刊誌が追い回し、突撃取材を始めたのである。
「自分のことなんですけど、ちょっとよくわかりません」
私が知るだけでも現代、新潮、女性週刊誌もやっていたのではないか。名家とはいえ普通の銀行マンである。さぞかし煩いことであろうが、この男性は穏やかな口調で丁寧に応対しているのである。『現代』(6/1日号)を見てみよう。
ゆったりとした紺のスーツにノーネクタイ。旧型のプリウスに乗り込もうとした時、記者に気付き、彼のほうから近付いてきて、丁寧に対応してくれたというのである。
「よくわからないので」
――ご自身の知らないところで、名前が出てしまっている?
「まあそうですね。自分のことなんですけど、ちょっとよくわかりません」
――周囲からは何か聞かれたりしますか。
「記事が出れば聞かれることもありますが、それだけですね」
新潮もほぼ同じ内容である。
だが、確たる根拠もなしに多くの週刊誌が一般人を追い回すのは、ほめられたものではない。これがもし、結婚確実情報でも出たら、会社や彼の住んでいる近隣の住民から多くの苦情が出ることは間違いない。宮内庁はどう対応するつもりなのか。