小池百合子東京都知事の学歴詐称疑惑が再燃している。元東京都知事の舛添要一さんは「41年前、小池氏に『カイロ大首席卒業』について問い質したことがある。そのときには『学生が1人しかいなかったからよ』という説明だった。その後もウソにウソを重ねているのではないか」という――。
元側近が告発した「学歴詐称問題のもみ消し」疑惑
小池百合子都知事の学歴詐称疑惑が再燃した。元側近の小島敏郎弁護士が、告発記事を4月10日発売の『文藝春秋』に掲載したからである。
2020年5月下旬に、石井妙子氏が『女帝 小池百合子』(文藝春秋)という本を出版し、その中で小池氏のカイロ大学卒業という履歴が疑わしいことを明らかにした。
憔悴した小池氏は、小島氏に相談し、「カイロ大学に声明文を出してもらう」というもみ消し工作をしたという。
6月に、小池氏から依頼された元ジャーナリストが、卒業を証明する文案を書き、それとほぼ同じ内容の声明文がエジプト大使館のフェイスブックに掲載され、それが奏功して、学歴詐称疑惑は雲散霧消した。そして、7月の都知事選で小池氏は圧勝した。
小池氏から贈られた著書『3日でおぼえるアラビア語』
今回の騒動を機に、1万冊に及ぶ私の蔵書の中から、若い頃に彼女が書いた本を1冊探し出してきた(写真)。『3日でおぼえるアラビア語』(学生社、1983年5月刊)という本で、彼女から贈られたものである。1983年7月1日の日付で、8(サマーニャ)と3(サラーサ)はアラビア語数字となっている。
その本の裏表紙には、「カイロ大学文学部社会学科を日本人で2人目、女性としては初めて、しかも首席で卒業。……(中略)……日本アラブ協会のアラビア語講師、通訳、翻訳等を通して、日本とアラブの友好に尽力している」という略歴が載っている。
41年前の本である。
この本を目にすれば、小池氏がアラビア語の大家だと信じるのは当然である。カイロ大学を首席で卒業した以上、エジプト人学生と同じように、アラビア語を読み、書き、話すことができるはずである。
簡単な日常会話のみならず、学科試験の答案を正確にアラビア語で書かなければならないからだ。