小池氏のアラビア語は「2歳児程度」

しかし、複数のアラビア語の専門家が証言しているが、小池氏のアラビア語会話能力は2歳児程度だという。それで大学を卒業できるはずがない。また、小池氏が邦訳したアラビア語の本も見たことがない。

推測だが、「日本人で2人目」というのも、小池氏の嘘かもしれない。「日本人初」だと格好良すぎて嘘がばれる危険性を察知し、「2人目」にしたのではないか。

そもそも、カイロ大学文学部社会学科卒業の第一号の日本人は誰なのか。カイロ大学には、その男性の氏名、卒業年月日を公表してもらいたい。まともな大学なら、それができないはずはなかろう。

外国人が「首席で卒業」などあり得ない

私は、通算5年に及ぶヨーロッパ留学を終えて、1978年に帰国し、1979年に東大助教授に就任した。その後、1981年5月にフランスで社会党のミッテランが大統領になったため、フランス政治の専門家としてテレビなどのマスコミで解説する機会が増えたが、その頃、テレビ番組で小池氏を紹介された。

私は、英語の他にフランス語もできたが、パリ大学で、フランス人を追い抜いて首席で卒業することなどありえないことであった。

まして、『3日でおぼえるフランス語』などという本を出版することなど絶対になかった。日本には、フランス語の専門家が山ほどいるからである。

小池氏の著書『3日でおぼえるアラビア語』(学生社)の表紙
筆者提供
小池氏の著書『3日でおぼえるアラビア語』(学生社)の表紙

それだけに、カイロ大学を首席で卒業する日本女性がいることに驚愕したのである。今にして思えば、学習者が極度に少ないアラビア語なので、どんな嘘をついてもばれないと小池氏は考えたのであろう。私が信じたように、41年前の日本の人々もマスコミも、彼女の宣伝文句を信じてしまった。結果的に、マスコミは彼女の虚像を膨らませることに加担したのである。