「3つの補選」は再選挙の可能性も
4月16日には、衆議院の3つの補欠選挙が告示された。島根1区、東京15区、長崎3区である。昨年秋に、自民党派閥のパーティ券問題が明るみに出て以来、初の国政選挙だが、しかし、自民党は東京15区と長崎3区には候補者を立てず、不戦敗である。
東京15区は、各党派9人が乱立する。法定得票数は「有効得票総数÷6」であるが、候補者乱立で、誰もこの基準を突破できない可能性もあり、その場合は再選挙となる。
乙武洋匡氏(無所属、都民ファーストの会・国民民主党推薦)は、小池氏が国政進出を目指して設立した「ファーストの会」の副代表に就任し、小池氏の支援を受けて立候補したが、女性スキャンダルが蒸し返され、公明党婦人部などは支持していない。
しかも、世論調査では、乙武氏は、支持率で他の候補者に引き離されている。これでは自民党は乙武氏に乗れない。
小池氏は政界を去るべき
しかも、側近による暴露によって、小池氏の学歴詐称疑惑が再燃した。
自公の支援を受けて乙武氏を楽勝させ、独自の候補を立てることのできない自民党に恩を売り、都知事選3選を狙う。その後、国政に復帰して日本初の女性首相になる、という小池氏の野心に満ちたシナリオは遂げられそうもない。
都知事選は、6月20日に告示され、7月7日の投票である。小池氏は、今回も「カイロ大学卒業」と学歴欄に記すのであろうか。
本人がこれ以上傷つかないためにも、もう政界を去ったほうがよいのではないか。そうすれば学歴詐称問題が再燃することもなかろうし、公選法違反で告発されることもないはずだ。
何よりも、日本国の国益を守るために、小池氏は静かに政治の世界から姿を消すべきである。
ポピュリズム政治がいかに弊害の大きいものであるかを知らせたことが、小池百合子氏の最大の功績として語り続けられるであろう。