心身の健康を維持するための休み方は何か。心理カウンセラーの下園壮太さんは「世の中の大半の人は、システマティックに自分に休みを取らせることができていない。しかしそれでは、本当に『休み』が必要となる段階に突入すると、思うように仕事が進まなくなり、結果的に思考が停止してしまい、『本当はムリをしているのに、頑張り続けるほうがラク』という状態になってしまう」という――。

※本稿は、下園壮太『「がんばらない」仕組み』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

ノートパソコンの前で頭を抱える疲れたリモートワーカー
写真=iStock.com/show999
※写真はイメージです

エネルギー的に「正しい休み方」

「休む」という行為は、「がんばらない仕組み」の中核を成す要素ですが、もちろん、ただなんとなく休めばいいというものではありません。

「エネルギー的に正しい休み方」

というものがあるのです。

この休み方を間違えると、「頑張る系システム」のスイッチをオフにすることができず、十分にエネルギーを回復することができません。

それでは、効果的に休むノウハウについてお伝えしましょう。

「働き方改革」が進んでいるかに見えるビジネス社会ですが、まだまだ「多忙でなければ、できるビジネスパーソンとはいえない」といった空気感があります。

しかも困ったことに、ビジネスパーソン自身が“多忙自慢”をするケースさえあるようです。

ただ、僭越ながら私が申し上げたいのは、

「忙しいと疲れたは、自慢にならない」

ということ。

これは、元内閣総理大臣・吉田茂さんの言葉としても有名ですが、「がんばらない仕組み」をつくる上で、非常に大切なことを私たちに教えてくれます。

「疲労」や「多忙」を自慢しても、結果的に自分の首をしめるだけで、誰の得にもなりません。

そんなことなら、むしろ

「いかにがんばらないか」
「いかにうまく休んだか」

といったことを自慢し合ってほしいくらいです。

とはいえ、

「実際忙しいし、周りも忙しそうにしているから、休みたくても休めない」

という人は多いでしょう。

そこで、私が提案したいのが、

「まず、休む日を決めてしまう」

ということです。