※本稿は、下園壮太『「がんばらない」仕組み』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
エネルギーを消費した分だけ長く寝ると疲労が回復する
エネルギーがないときというのは、いつもなら難なく、あるいはちょっと頑張っただけでクリアできる仕事で、思いどおりの結果が出せません。
自分ではそんなに疲れを感じていなくて、むしろいつも以上にものすごく頑張っているつもり。それなのに、
「頑張ろうという気持ちが空回りして、できませんでした」
「仕事を始めてすぐにイヤになって、途中で放り出してしまいました」
という状況になったとしたら、エネルギーはかなり低減しています。
この場合、一番ダメな対応は、「どうしてできないんだろう?」と、原因探しを始めてしまうことです。
そうするとつい「能力が足りないのか」「やり方がまずいのか」といったことを考え、迷路に入り込んでしまいます。
それは大きな勘違い。原因はひとえに、エネルギーの低下にあります。
唯一の改善策は一も二もなく、
「まずは寝ましょう」――。
このひとことに尽きます。
これが正しいことは、簡単な計算式でわかります。
仮に「睡眠で蓄えたエネルギー」を「10」として考えてみましょう。
日中にそれを上回る「12」のエネルギーを消費したら、キャパオーバーになり、疲労が「2」蓄積します。その日の夜は、オーバーした分だけ長く寝ないと、疲労は回復しません。
一方、日中に「8」のエネルギーしか消費しなければ、余力が「2」あることになるので、睡眠時間が前の晩より多少短くても、十分に回復することができます。
もし毎日のように、日中の消費エネルギーが睡眠によるエネルギー補給より大きい状態が続いたら、どうなるでしょうか?
当然、疲労困憊で、常にエネルギー不足の状態になります。
たとえ一日で見れば少しのマイナスであっても、それが積み重なれば、いずれ大きく体調を崩すことにもなりかねません。
「疲労回復は寝るに限る」――。
この真理をしっかりと胸に刻んでおいてください。