「単純なミス」自体を調査しても意味がない
つまりは今次の問題は、
・その他の規制改革関連案件とは異なる――いわば近道で具体的政策を提案することができる法的な根拠のない会議体において、
・4人しかいない構成員のうち2人が利害関係者であり、
・少なくともそのひとりが大臣の推薦によって構成員となっていた
・4人しかいない構成員のうち2人が利害関係者であり、
・少なくともそのひとりが大臣の推薦によって構成員となっていた
ことにある。
発端となった中国企業ロゴ問題そのものは、おそらく、大林ミカ氏や自然エネルギー財団事務局の単純なミスによるものであろう。ミスがどのようにして発生したかを調査することはそれほど優先度の高い論点ではない。むしろ、この単純ミスによってあらためて注目されることとなった再生可能エネルギー政策の意思決定の方法やその内容にこそ重要な論点がある。
もっとも重要な論点は「政策決定のプロセス」
そして、自然エネルギー財団に限らず財団が特定の企業・業界の利害を代弁する立場でることは特段問題にすべきこととは思わない。組織・法人がオーナー、スポンサーである企業・業界の意向を代弁することは珍しいことではない(というかそれが本業のこともあろう)。
さらにスポンサー企業・業界の利害が他国や他国の企業のそれと一致することも十分にあり得る事象である。したがって、自然エネルギー財団や大林ミカ氏の主張が中国政府や中国国営企業からどのような影響をうけているかを調査することも副次的な問題でしかない。
最も重要な論点は、我が国のエネルギー政策がここまで説明してきた審議や決定方法によって大きく左右されている現状であり、その意思決定に利害関係者を任命した政治の問題点にあるのではないだろうか。
エネルギー政策、そして電力供給の安定性は日本経済のみならず日本の安全保障上の重要論点である。その政策決定プロセスを詳細に検討するきっかけを提供した点で、今次の中国企業ロゴ問題は大きな事件なのである。