財務省などは「日本の財政は危機にある」として、財政再建の必要性を呼びかけている。それは本当なのか。明治大学の飯田泰之教授は「財務省は『税収と歳出の差が年々拡大し、ワニの口が開いている』と主張しているが、私も参加した経団連のシンクタンクの報告書ではこれを真っ向から否定している。コスト削減を優先する経済政策はもう見直すべきだ」という――。
「量的緩和」と書かれたニュースの見出し
写真=iStock.com/y-studio
※写真はイメージです

経営者感覚で「クローズドシステム」は語れない

日本に限らず、経営者や経営者団体は、財政政策・金融政策といったマクロ経済政策に冷淡であることが多い。

これは経営とマクロ経済の違い、すなわち、「オープンシステム」と「クローズドシステム」の差に由来する。