※本稿は、ソン・スッキ著、岡崎暢子訳『作文宿題が30分で書ける! 秘密のハーバード作文』(CCCメディアハウス)の一部を再編集したものです。
「ロジカルな構成」をカンペキにする
アメリカの大手新聞「ニューヨーク・タイムズ」などで活躍するジャーナリストのダニエル・コイルさんは、超一流の人たちがどうやって才能をみがいてきたのかが気になっていました。そして、世界中のスポーツチーム、音楽学校、一流進学校などを取材した結果、こんな結論にたどり着いたのです。
「才能とは、生まれつきのものだけではなく、練習でみがかれるものである」
ダニエル・コイルさんがたどり着いた超一流の人たちの才能開発のひみつは、その才能を開花させるために一番重要なスキル(能力)を、まずはとことんみがくということでした。そのスキルを最大値で発揮できるようになるまで、小さなことから毎日少しずつ地道に練習を重ねるのです。
たとえば、テニス選手なら、まずは「サーブのトス」を、バスケットボールの選手なら「レイアップシュート」だけを、目を閉じていてもできるくらいに練習しなさいということです。
ダニエル・コイルさんが言うように、超一流レベルの作文力を開花させるために、作文の一番重要なスキルが何かを考えました。
文章を上手に書く人たちは、「言いたいことをロジカルに組み立てること」にずば抜けたスキルを発揮します。作文の場合は、「ロジカルな構成(組み立て)」がカンペキにできるように練習することが必要なのです。いつでもどこでも、どんな時も、書きたいことをロジカルに構成できるようになりましょう。そのためにはどんな練習が必要だと思いますか?
毎日たった10分で頭脳を鍛えられる
文章を書くために一番重要なスキルは、自分の考えをつじつまが合うようにロジカルに構成することです。「オレオ公式」は、このスキルを練習し、練習の効果を最大限に発揮するために考え出された方法です。
オレオ公式による作文は、公式を使って書く内容をまとめて、文章に整えていく書き方で、「意見を主張する」→「理由を出す」→「具体例を出す」→「意見を強調する」という4つの項目から成り立っています。
実はこの方法は、アメリカの名門、ハーバード大学で150年前から学生たちに教えられてきた作文のテクニックで、アマゾンやグーグル、トヨタ、マッキンゼーなどの世界的企業や一流大学でも、コミュニケーションのツールとして導入されている方法なのです。
みなさんがこの本で学ぶべきことは、「テーマを決め、オレオ公式どおりに流れを作り、1段落で終わる短いエッセイ(自分の意見や考えを述べる文章)を完成させる」ということです。時間は毎日10分だけです。毎日たったの10分間、この練習を続けるだけで頭脳を鍛えることができ、国語の勉強だけでなくほかの教科も成績がよくなるのです。