欧米の客からは、実年齢より若く見られることも幸いだった。35歳の今も、10歳ほど下に見られることが多く、「日本人は若く見られやすくて得」だという。
「先輩も言っていましたが、日本人は肌を褒められることも多い。相手と肌を合わせた時に、あまりに滑らかで驚かれるんです。肌がそこまで売りになるんだと知ってからは、ボディクリームを丹念に塗り込むのはもちろん、高価な美容液を全身にたっぷり使ったりと、長所を伸ばす努力をするようになりました」
英語を話せるようになるために、オンライン英会話などで勉強もした。勉強は嫌いだったが、必要に迫られて久しぶりにやる勉強は、意外と楽しかった。「あなたともっと話せるようになるために、頑張って英語を学んでいる」と客に言うと、一様に喜ばれ、「君の可能性がもっと広がるよ」という客の言葉を聞いて、より勉強に励んだ。そうして徐々に客がつくようになり、「旅費を出すから遊びにおいで」「自分の知人も紹介するから」という客からの言葉に応じて、現地に飛ぶように。日本で海外からの客を相手にし始めて1年が経とうとしていた頃で、リピーターの客もできていた。
海外でパパ活する日本人も増えている
渡航費は客が負担してくれることもあれば、自分で払うこともある。滞在先はホテルや客が所有している別荘など。金額はその時々で変動が大きく、1週間で30万円の時もあれば、100万円の時もある。日本のソープランドで働いていた時より高い単価を最低ラインに決めているものの、「日本を下回る額が提示されることは、まずない」。基本的には渡航前に、ある程度の仕事になる目処が立ってから動くが、稀に渡航後にキャンセルになることもある。そうした場合、現地のパパ活サイトなどを通じ、新たな客を取ることもあるという。
「アメリカでパパ活している日本人女性も増えてきていると聞きます。食事だけという場合もあり、よりコミュニケーションを求められる分、英語が話せるのは必須。白人とのマッチングより、アジア人とのマッチングのほうが多いですね」