他人が羨ましい人に、ぜひ気づいてほしいこと
そしてもう一つ。あなたは「嫉妬する側」だけではないことを、忘れないでほしいのです。
つまり、「嫉妬される側」でもあることを知っておくと、むやみに周囲の声に振り回されて疲れることもなくなります。
たとえば私は、東大を出たわけでも、大病院の院長だったわけでもありません。
医学者としての実績なんて、たかが知れています。
ところがあるとき、偉い大先生から謂れのない非難をされ、「何か悪いことでもしたかな?」と、後輩にぼやいたのです。
「ああ、きっとあの人は、高田先生に嫉妬しているんですよ」
「どうして僕が、あの大先生から嫉妬されるんだ?」
「だって高田先生は、たくさん本を書いて、ずっと活躍されてますから」
本当のところは、どっちが“活躍している”のかわかりません。でも、人は勝手に自分の基準で人を判定し、自己を卑下していることが多いのです。
今、私は、やりたい仕事をして活躍しているわけでもないし、やさしい家族と同じ家に住んでいるわけでもない。それでも、「あなたは健康でいいわね」とか、「いいお子さんがいて、幸せですね」なんて、勝手に羨ましがる人がいます。
足腰が弱くなった80代の女性が、自分よりずっと若い人から、「あなたはいつも明るくて、人生楽しそうでいいですね」と、会うたびに言われるなんていう話もあります。
このように、他人が羨ましい人は、「自分もまた他人から羨ましがられているのだ」と思い直して、「自分はすごいんだな!」と、喜んでしまえばいい。
他人を嫉妬して、あるいは他人にコンプレックスを抱いてふさぎ込んで生きるよりは、ずっと気持ちは軽くラクになること請け合いです。