広島では中高一貫の広島高校が台頭

鳥取は、②米子東③倉吉東。公立1位の鳥取西以外は東大・京大合格者が出ることは珍しい。

島根は、②浜田③大社。出雲市では女学校を前身とする出雲のほうが優位。松江南も健闘していたが、学区制の廃止などで松江北の優位に。

岡山は、②津山③高梁。総合選抜の時代は岡山市内の岡山大安寺や岡山操山も健闘していたが、旧一中の岡山朝日が優位に。

広島は、②福山誠之館③忠海。忠海は池田勇人の母校。総合選抜で公立は不振。最近、中高一貫の広島が台頭し、東京大学合格者では県内公立1位に。

山口は、②防府③豊浦。豊浦は城下町である下関市長府に所在。旧一中の山口が東京大学については断然トップだが、岸信介・佐藤栄作兄弟の時代からの伝統か。2023年、京都大学についてはユニクロの柳井正の母校である宇部が1位だった。

徳島は、②脇町(美馬市)③富岡西(阿南市)。旧一中の城南は不振で、徳島市内は城東が健闘。脇町のある地域は藍の集散地として栄え、「卯建うだつ」を持つ商家で有名。

香川は、②丸亀③観音寺第一と大川が同時。高松と丸亀が突出している。

愛媛は、②西条と宇和島東が同時設立。両校ともに甲子園優勝経験がある。西条には紀州藩支藩の陣屋があった。総合選抜制度の緩和で旧一中の松山東など伝統公立校が復活。

高知は、②高知小津③安芸だが、総合選抜制度の影響で公立高校は進学校としては十分に機能していない。ただし、2023年には旧一中の高知追手前から2名の東京大学合格者が出ている。

沖縄では一中など伝統校は振るわず

福岡は、②育徳館③明善。みやこ町の育徳館は、小倉藩が長州戦争で敗北したのち、この町の豊津に移転していたことから県内で2番目に設立された。現在の豊前地域のトップは小倉。

佐賀は、②鹿島③唐津東。佐賀では鍋島分家が鹿島市など県内各地にあって、教育にも熱心だった。茨城県にあるのは鹿嶋市。

長崎は、②大村③佐世保北。分散型の県土だけに各地域の名門が健在。大村はかつてのキリシタン大名・大村氏の城下町にある。

熊本は、②天草(旧本渡町)と鹿本(山鹿市)、八代が同時設立。熊本高校は旧一中である済々黌が分割されて誕生した。山鹿は宿場町で県北の中心都市だった。

大分は、②臼杵と竹田、杵築が同時設立。いずれも城下町。中高一貫の大分豊府が台頭しつつある。

宮崎は、②延岡と都城泉ヶ丘が同時設立。分散型の県土なので各地の高校がそうそうたる卒業生をもつ。都城は薩摩藩領の中心都市。

鹿児島は、②川内(薩摩川内市)③加治木(姶良市)。県北西部および北西部の中心都市。公立2位の甲南は第七高等学校の付属から分離してできた鹿児島市内の旧二中。私立の雄、ラ・サール高校もあるが公立も健闘している。鹿児島市外では理数科もある国分がトップ。

沖縄は、②那覇③名護。旧一中の首里をはじめとした伝統校は振るわず、中高一貫校の開邦や球陽のほか、向陽や那覇国際が設置され、それなりの進学校になった。

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