中年太りを食い止めるにはどうすればいいか。肥満や運動を専門に研究する山田陽介さんは「まとめて運動しても、消費できるカロリーはそれほど多くはない。逆に、家にいるときも、ちょこちょこ動いていたほうが、トータルでの消費カロリーは多くなる。ポイントとしては、『食べたら動く』ことを意識することだ」という――。
※本稿は、山田陽介『科学がつきとめた 中年太りのすごい解消法』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。
「減量に運動は不要説」への反論
本稿では、運動や身体活動の重要性について、詳しくお話ししたいと思います。よく「運動によるカロリー消費は微量だから、ダイエットにはほとんど役に立たない」といったことをいう人がいますが、まずこういう意見に反論しておきたいと思います。
現代のように、活動量が少なくても生きられる時代であれば、基礎代謝が低下していなくても、たった10キロカロリーの摂取カロリーが消費できずに残ってしまう可能性があります。実際にはそれ以上かもしれません。
「運動してもやせない」という人がいますが、やせはしなくても、運動量が足りないと、1日10キロカロリーの積み重ねが20年で10kgの体重増につながっていくというようなことが起こるわけです。
1日たった10キロカロリーでも、余ったカロリーは体脂肪として蓄積されます。それによって、10年後、20年後の中年太りが決まるわけですから、消費カロリーとしては微量でも、運動することには意味があるのです。
現代のように、動かない生活を続けていると、中年太りはもちろんですが、生活習慣病のリスクも高くなります。家電に頼らずに家事をするとか、デスクワークの途中でも動く習慣をつくるとか、こまめに動くことで、1日10キロカロリーの未消費分を帳消しにできるわけです。