健康と運動には、どのような相関関係があるか。肥満や運動を専門に研究する山田陽介さんは「スポーツ種目別に寿命の差を示したある研究では、寿命を延ばすスポーツ上位3つはテニス、バドミントン、サッカーといずれも球技であった。一方で、下位は水泳、ジョギング、ヘルスクラブでの活動だった。個人参加型の運動より、運動仲間がつくれて参加者同士のコミュニケーションが生まれることが重要である」という――。

※本稿は、山田陽介『科学がつきとめた 中年太りのすごい解消法』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。

エネルギー消費のコツは、体の重心を移動させること

本稿では運動のコツについてお話ししたいと思います。

スポーツを楽しむシニア男性
写真=iStock.com/kumikomini
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意識的に行う運動はもちろん大事ですが、その前に、日常生活での活動量を増やすコツについてお話ししましょう。

私が体を動かすことがよいといったら、「びんぼうゆすりのような運動でも効果があるのか?」とたずねた人がいますが、座ったままの姿勢で体を動かしても、ほとんど消費エネルギー量は増えません。

現代人の家庭生活は、座ったままリモコンでいろんな作業ができてしまうので、座りっぱなしになりがちです。

しかし、消費エネルギー量を増やすなら、立ち上がって何か物を取りに行くようにしたほうがよいのです。

消費エネルギーを増やすには、体の重心を移動させることが重要です。もっとわかりやすくいえば、腰を使って上下や左右に動くことが消費エネルギー量を高めます。

上下の運動なら、座ったり立ったり、階段の上り下りをする動きです。左右であれば、まっすぐ歩くのではなく、右に曲がったり左に曲がったり、廊下を何度も往復したりするような動きをすると重心が動きます。