中年太りの体脂肪は運動で燃やすのが最適
また、運動すると筋肉の質が変わってきます。同じ体重でも、アスリートのように、筋肉量が多くて体脂肪が少ない体であれば、BMI30以上でも病気になりません。
逆に、体脂肪が多くて筋肉量が少ない肥満は、BMI25~30くらいでも、生活習慣病を発症してしまう危険性があるのです。
体脂肪は運動によってしか減らすことはできません(基礎代謝は除く)。もちろん、食事で摂取する量を減らすことも重要ですが、中年太りを改善したいのであれば、運動量(活動量)を増やして蓄積された体脂肪を燃やさなければならないのです。
また、運動不足だと筋肉の質も変わってきます。運動習慣がある人の筋肉は筋細胞がみっちりあるのに対し、運動不足の人は筋細胞の間にすき間ができて筋肉がスカスカになっていきます。
スカスカになった筋細胞の間には、異所性脂肪の1つである筋肉脂肪もついてくるので、これもまた生活習慣病のリスクを高めてしまうことになります。
このように、運動には健康上のいろんなメリットがあります。運動によるカロリー消費量は少ないけれども、中年太りが気になるような年代の人にとって、運動はとても重要であることがおわかりいただけたでしょうか。
血糖値スパイクが脂肪をためる
生活習慣病と運動の関係で、よく知られているのが糖尿病です。糖尿病になると高血糖の状態が続いて、それが動脈硬化を進めて、いろんな合併症を引き起こします。
糖尿病を発症した人は、食事や運動で血糖コントロールすることが大事ですが、中年太りで、まだ糖尿病になっていない人でも、血糖コントロールは重要です。
食事をすると血糖値が上がります。その後、インスリンというホルモンが分泌され、血糖はエネルギーとして消費されます。その結果、血糖値が下がります。
炭水化物などの食事をたくさん摂ると、血糖値は急激に上昇し、インスリンが分泌された後、今度は急激に下がります。
わかりやすくいうと、血糖値が短時間のうちに高くなったり低くなったりします。このような状態を「血糖値スパイク」といいます。
血糖値スパイクが起こっているときは、インスリンが多量に分泌されるので、脂肪細胞に脂肪をため込みやすくなります。
どういうことかというと、血液中の糖の濃度が高いと、脳は血液中にエネルギーがいっぱいあるから、それをためておこうとして、体脂肪に換えてたくわえるのです。