「木で打ったほうが飛ぶんじゃないか」
低反発バットは、高校野球に先駆けて、8月に行われた中学硬式野球の「ジャイアンツカップ」で試験的に導入された。その結果、総得点は昨年大会の320から165とほぼ半減。柵越えの本塁打は8から1に激減し、中には「木で打ったほうが飛ぶんじゃないか」と証言する指導者もいたほどだ。高校野球界では、低反発バットの導入を機に木製への変更を検討しているチームもあると聞く。
高校野球は1915年の発足当初から木製バットを使用していたが、木材の高騰を受け、1974年から金属バットの使用が許可された。その後、甲高い金属音を鳴り響かせ「やまびこ打線」と称された池田高(徳島)の活躍などもあり、木製バットを使うチームは皆無となった。しかし、高額な新基準バットの導入で、木製バットが再びクローズアップされることになった。
確かにプロでも主流のホワイトアッシュやメイプルといった材質であれば1~2万円ほどで購入できる。ただ、木製バットは金属に比べ耐久性に劣り、折れるたびに交換が必要になるので、長期的に見ればコストパフォーマンスは低くなる。新基準バット導入まであと3カ月余り。どちらにせよ、少なくはない金銭的負担をしいられることになる。
少年野球の費用はサッカー、ミニバスの倍以上
野球は始めるハードルが高いスポーツになってきた。これまで野球人口を下支えしてきた学童野球の選手登録者数は、2012年の27万8280人から、2022年には17万309人と、わずか10年で10万人以上減少した(日本野球協議会 普及・振興委員会の調査)。
もちろん、少子化の影響もあるが、高額な用具代も、野球離れの一因となっていることは否定できない。概算ではあるが、野球、サッカー、ミニバスケットでかかる初期費用と、使用する用具の金額をまとめた。
【野球:6万3000円~】
帽子:3000円
ユニホーム上下:1万円
アンダーシャツ:3000円
ベルト:1000円
ソックス(3足セット):1000円(3足セット)
ストッキング:1000円
グラブ:1万5000円
スパイク:6000円
アップシューズ:5000円
バット:1万円
手袋:3000円
バッグ:5000円
【サッカー:3万円~】
ボール(4号球):6000円
スパイク:6000円
フットサルシューズ:5000円
ソックス(3足セット):1000円
シンガード(すね当て):2000円
シャツ:2500円
パンツ:2500円
バッグ:5000円
【ミニバス:2万2000円~】
ボールシューズ:7000円
ボール(5号球):4000円
シャツ:2500円
パンツ:2500円
ソックス(3足セット):1000円
バッグ:5000円