「証明できない問題」の誕生
無限に種類があることを突き止めたカントールは、さらに「『普通の無限』と『でっかい無限』の間に他の大きさの無限は存在しない」ということを予想しました。この予想は「連続体仮説」と呼ばれる予想です。
しかし、カントールは「連続体仮説」を証明できないまま、その生涯を閉じてしまいます。
解かれることなく残った連続体仮説は、のちに、「いくら考えても正しいのか正しくないのか証明できない問題」という、とんでもないことが証明されてしまったのです。
これは、クルト・ゲーデルが発表した「不完全性定理」と呼ばれる驚くべき定理によって示されました。
カントールが切り拓いた世界のおかげで、現代の私たちは、自由に無限を扱うことができるのです。
その業績を称え、カントールが暮らしたドイツ、ハレの町の片隅には、彼自身のこんな言葉が刻まれています。