お笑いコンビ「レインボー」のジャンボたかおさんが小説『説教男と不倫女と今日、旦那を殺す事にした女』(KADOKAWA)を出版した。レインボーは、YouTubeで毎晩新作コントを配信し、登録者数は100万人を超えるなどネットを中心にテレビでも人気のコンビだ。なぜYouTubeに加えて、小説まで書くのか。本人に聞いた――。
小説家デビューを果たしたお笑い芸人レインボー・ジャンボたかお
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小説家デビューを果たしたお笑い芸人レインボー・ジャンボたかおさん

YouTubeを中心に急速に浸透しているお笑い芸人

――レインボーのYouTubeチャンネルは登録者が111万人(10月18日現在)と大人気です。新作コントを毎日配信されていて、いまでは1800本を超える動画があります。なぜそこまでYouTubeに力を入れるようになったのですか。

そうですね。今までは劇場などでネタを披露して、テレビに出演する。そして、芸人としての面白さを認知される……というのが一般的だったと思います。しかし、僕たちは「コントを見てもらえるならYouTubeだって全然かまわない」と相方の池田と決めて、2019年から毎日のように動画を配信するようになりました。

その結果、テレビの出演がまだあまりない中でも、YouTubeを通して知って貰えるようになりました。特に爆発的に再生回数が伸びたのは、自身の経験をもとにネタを書いた「家にまで来たのにその気がない女に説教する男」(2019 年9月配信)というコント動画です。

言ってしまえば、「有名な芸人トップ10」には入れないけど「YouTubeで最も再生されている芸人トップ10」には食い込む可能性が見えてくるという若手芸人ではかなり特殊な状況になってます。

コンプレックスが笑いになる

――――お笑い芸人を目指したきっかけを教えてください。

すごく簡潔にいうなら、自分自身にコンプレックスがあったから……かもしれません。それ以外にも、人を楽しませたいという欲求ももちろんありましたけど。

みなさんはどこまでご存じか分かりませんが、お笑い芸人ってこの世にあるどんなコンプレックスも武器にすることができる衝撃的な職業なんです。

僕は学生時代に童貞だったのがものすごいコンプレックスでした。僕のような童貞コンプレックスを持っている人も、太っていると悩む人、背が低いと自信を失う人、髪が薄いとまわりからイジられる人、そしてなにより普通すぎるというコンプレックスすらお笑いの中では個性になってしまう。

コンプレックスを笑いに変えて、世の中の人たちに喜んでもらえるって本当にすごい仕事だなと思っていました。