宇野郁夫氏厳選!「役職別」読むべき本

■部課長にお勧めの本

『志賀直哉(上・下)』阿川弘之著、新潮文庫

志賀を文学の師としてあおいだ著者が、畏敬の念をこめて描いた評伝。志賀の誕生から父との確執、文壇への登場、そして作家としての地位を確立していく、その人間としての成長の様子から学ぶところは大きい。

『わが父ルノワール』ジャン・ルノワール著、みすず書房

画家ルノワールの晩年の会話をもとに書かれた、息子による伝記。生き生きと描かれるルノワールの人生の中に、父への敬愛の思いがにじみ出ている。著者は、映画史にその名を残す映画監督の巨匠。

■若手、新入社員にお勧めの本

『ながい坂』山本周五郎著、新潮文庫

下級武士、阿部小三郎の30年にわたる苦難の生涯を描いた作品。「人の一生は長い。一足飛びにあがるより一歩一歩登ったほうが強い力になる」という作中の台詞が示すように、人間としての生き方の大切さを教えてくれる。

※すべて雑誌掲載当時

(山下 諭=構成 澁谷高晴=撮影)
【関連記事】
「心から泣ける、腹から笑える」古典&傑作
人生のどん底から救ってくれた中村天風の教え
「異文化との融合」シチリアはわが師匠である -昭和電工相談役 大橋光夫氏
あなたの会社は「プラグマティズムの精神」を失っていないか
なぜ、守りの時代に守りの姿勢でいることが危険なのか