「凡人経営者」井阪社長の次なる一手は
一方、セブン&アイに対する市場の評価は厳しいようです。ヨーカ堂改革問題、次世代デジタル戦略、海外コンビニのテコ入れに加えて、国内コンビニにおいても24時間営業の是非や人手不足問題、都心部で食品に特化するヨーカ堂との競合など、課題は山積しています。
米国で見た小売りのセルフサービス方式をいち早く取り入れ、ヨーカ堂のチェーン展開で事業を躍進させた創業者・伊藤雅俊氏と、米国発のコンビニをフランチャイズ方式で拡大し流通革命を起こした中興の祖・鈴木敏文氏。井阪セブン&アイはこの7年間、二人の名経営者が築き上げてきた遺産で暮らしてきたといえます。
井阪社長は、鈴木敏文氏を「天才」としたうえで、自らを「凡人経営者」と評価しています。アクティビストから「NO」を叩きつけられ、株主の信任も揺らぎつつある今、過去の延長ではない「脱凡人」としての一手が求められているのではないでしょうか。