スタバを愛用、でも「プラスチックストローをください」
ウミガメ動画にいち早く反応したグローバル企業の一つがスターバックスだった。「サステナブル(持続可能)な方法でサステナブルなコーヒーを提供する」と宣言。店内からプラスチックストローが消え去り、代わりに紙ストローが登場した。
日本一のストローメーカーを率いる磯田もスターバックスを愛用している。ただし、ドリンクを注文するときには必ず「プラスチックストローをください」とリクエストする。紙ストローの感触に違和感を覚え、おいしく飲めないという。
20~30分でストローがふやけ始めるため、ドリンクの味よりも口当たりの悪さに気を取られてしまう。それだけではない。薄紙がのり付けされていると想像すると、ドリンクの中にのりが溶け出すかもしれないと心配になる。
そもそも歴史的にはプラスチックストローの前に紙ストローが普及していた。ただ、防水のためにロウでコーティングされていたため製造に手間がかかり、大量の需要に応じきれなかった。プラスチックストローが普及したのは戦後になってから。消費者の間で「これだとおいしく飲める」と評判になり、大量生産・大量消費が始まったのだ。
人々が環境を守りながら豊かな生活を続けるためにはプラスチックストローが最適――これがシバセ工業3代目の哲学だ。(文中敬称略)
(後編に続く)