自分らしく主体的に生きるための思想であり技術

彼女は著書にこう書いています(『「死への準備」日記』126~7ページ)。

私は大きな困難に出合ったら、まずその問題を分析して、どう対処するかを考える。問題に直面した直後の一時間くらいは、衝撃が大きすぎて何も考えられなかったこともあるが、そのあと、だれに相談したらいいかを考え、解決のために一歩踏み出す。最初に乳癌を発見したときも、ついこの間、右側にしこりを見つけたときもそうした。アメリカの保険会社に健康保険の申し込みを断られたときもそうしたし、何度か失職したときも同じようにした。
だから、いまのように病気が重くなり、治療の可能性が非常に低いという状況にあって、もし鬱状態に陥ったり、寂しさ、悲しさに襲われて仕事や日常生活がまともにできない、というようなことでもあれば、さっそく専門家の助けを借りるだろう。
だが、いまのところ、私は治療の激しい副作用に苦しみ、体力低下に悩みながらも、気が沈んでいる状態が何時間も続くことはない。寂しさとか悲しさとも無縁だ。私は、癌にかかったことをとくに不幸な事件だとは思っていない。私のこれまでの人生は、いくつかの困難があったにせよ、楽しい思い出に満ちている。

私は千葉さんの著作が大好きで、ほぼ全作揃えており、ときどき読み返しては、彼女の「問題解決法のスピリット」に毎回新鮮に感嘆し、そこから多くを学びます。千葉さんの著作は残念ながらほぼ品切れになっており、なかなか入手しづらいのですが、『昨日と違う今日を生きる』という著作だけは電子書籍で読めるので(2023年5月現在)、ぜひ皆さんにも読んでいただきたいと思います。

自分の人生の主人公は自分自身でしかありえません。問題解決法は、自分自身の人生を自分らしく主体的に生きるための思想であり、技術だと私は考えています。まあ、要するに問題解決法が大好きなんです。その魅力が皆様にも伝わったら嬉しいです。

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