腰痛になりにくい「坐骨座り」を心掛ける

デスクワークで正しくからだを使うためにはまず、骨盤を立てて座ること。骨盤が立っている時は、直立と同じような位置に骨盤があり、背骨のS字カーブも適切に保たれています。この座り方を「坐骨座り」と呼び、骨盤が倒れていると仙骨座りになります。

そして、先ほどセルフチェックで行ったようにあごを引いて、腰から前かがみになります。すると、腸腰筋に力が入った状態になるため、この姿勢でデスクワークをするのが「正解」です。お腹に力を入れたまま作業すれば、腰痛になりにくくなるでしょう。

ちなみに、イスから立ち上がる時の正しいからだの使い方は、股関節を曲げたまま(中腰)の状態で立たないこと。股関節が曲がっている時に腰を動かすと、腰に過度な負担がかかってしまいます。股関節をきちんと伸ばしてから立ち上がるようにしましょう。

適度に寝返りを打てる姿勢が「正解」

本書の第1章では「使いすぎた腰は睡眠で回復させる」ことが必要であると説明しています。

質の高い睡眠を取ってからだをしっかり回復させるために私が唯一、重視している動作がきちんと「寝返り」が打てるかどうか。適度に寝返りを打ちながら眠れていれば、それは「正解」です。

近頃、快適に睡眠を取るためのさまざまな寝具が販売されていますが、どんなにいい枕やマットレスを使っていようとも、同じ体勢で何時間も寝続ければ、そのうち腰が痛くなります。図表4のように、理想的な姿勢で寝続けることはできないのです。

熊田祐貴『読んで防ぐ腰痛の本』(啓文社書房)
熊田祐貴『読んで防ぐ腰痛の本』(啓文社書房)

腰に負担をかけないようにするためには、寝ている時も適度にからだを動かす必要があるのですが、なかには「腰が痛くて寝返りが打てない」という人もいます。寝返りが打てないのは、だいたいが腰まわりの筋肉がかたくなっているせいです。

寝返りが打てないからといって新たに寝具を買い替えるよりも(どのみち、寝返りは打てないでしょうから)、毎日少しずつでいいので、寝た状態でからだをコロコロと左右に動かしましょう。からだを動かして筋肉をほぐすほうが、よっぽど腰痛対策になります。

ちなみに、極端にやわらかすぎたりかたすぎたりする寝具は背骨に影響するので、できれば避けたほうがいいということはお伝えしておきます。

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