中高年が長生きするには、どのような食生活を送るべきか。医師の和田秀樹さんは「60代以降のダイエットは健康に直結しない。世界のさまざまな統計データをみると、BMIの数値が25を超えた小太りの人のほうが長生きする傾向がある。メタボが怖いから肉は控えようと過剰に反応するのは、『頭がいい人』の行動様式ではない」という――。

※本稿は、和田秀樹『頭がいい人、悪い人の健康法』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

サラダを持った肥満の男性
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統計データが証明「小太りの人のほうが長生きする傾向」

中年以降の多くの日本人が、健康を保つためにメタボになってはいけないと刷り込まれています。そのため、太っているのは健康に悪いというメッセージが広まりすぎて、60代以降になってもダイエットを心がけている人が当たり前のようにいます。

たしかに、内臓脂肪を過剰に蓄えるのは、健康にはマイナスかもしれません。しかし、それ以上に、メタボへの反動によって、多くの中高年がやせなければと過度に考えている現状のほうが、私はずっと危ういと思っています。

というのも、60代以降のダイエットは健康には直結しないからです。やせたからといって、健康で長寿になるわけではありません。むしろ、心身の若々しさを失い、健康を遠ざける結果になります。実際、小太りの人が長生きするという、はっきりしたデータがあります。

メタボに関連して、中高年の健康管理の指標の一つとして定着しているのがBMIです。ご存じのとおり、BMIとは、「体重(kg)÷身長(m)の2乗」で導き出される数値で、この数値がWHO(世界保健機関)による「普通」の基準とされる18.5~25の間に収まっていれば、健康だと考えられています。

ですが、世界中のさまざまな統計データを見ると、BMIの数値が25を超えた人のほうが、長生きする傾向が明らかに表れています。